2015年05月16日

オリギュア開発史-5

前回からの続きです。

第4世代・・・一つの完成形!

 マネキン素体案は失敗に終わりましたが、そこで得られた知見や技術は非常に重要なものばかりでした(その内まとめたいです)。それらを用い、第4世代オリギュアといえるものが完成しました。

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第4世代オリギュア作例「玄蕃サラ」


今回は、オリジナルキャラクターではなく、版権物(ご当地キャラクター)に挑戦しています。

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顔アップ


 特徴的な狐目なので、キャラ判別できるレベルに仕上がったと思います。個人的には、かわいいと思えるものに出来ました。かなり「美少女フィギュア」っぽくなったと感じています。
 この第4世代で、オリギュア(というか、最初に作ろうとしたキャラクター人物造形)着想当初のイメージレベルに到達できました。実に10年近くかかりました・・・。


次のトレンドは「表情」!

 第20回折紙探偵団コンベンションで感じたことですが、1枚折り勢も「顔」の表現レベルが追いついており、次は「表情」と「動き」では無いか・・・と感じています。
「表情」は眉と口のはっきりとした表現が必要になるため、第4世代の技術では表現できません。よって、第5世代のテーマは「表情」と「動き」で開発をスタートしています。完成はいつになるか・・・複合でキャラクター人物造形を手がける人も増えてきているので先を越されそうですが、自分のイメージをその内再現できればと思います。


第4世代技術のオープン化

 また、第5世代の開発以外にも、一つの完成形に至った第4世代の折図化も構想しています。一応、オリギュアは折図化可能なものとして開発されている(ぐらい折りや、粘土造形がほとんど無い)ので、その証明がしたいのと、技術開示して折紙の暗黒面を拡大してやろうという魂胆です。

以上、長々続きましたが、自身の人物造形作品の開発史のようなもののまとめでした。
posted by ゼニガメ男爵 at 00:30| Comment(0) | 雑記

2015年04月16日

オリギュア開発史-4

前回からの続きで、第4世代開発段階の記事になります。

折紙は自由だ!
 オリギュア開発を止めてしまおう(そして、もっと一般受けのするもの折ろう)・・・そう思っていた時期が俺にもありました。
 ネタはさておき、そう思っていたのは事実です。というのも、オリギュアの下記制約の中では、これ以上の発展が難しいと考えていたからです。

 <第3世代オリギュアの制約>
・プリンター染色紙の使用(最大サイズと紙種が限られる)。
・全部品同一サイズの正方形使用。
・不切

 鋭い方はお分かりかと思いますが、使用枚数を増やせば、この制約条件下でも表現の幅は広げられます。が、やりたくなかった。
 兎に角、止めてしまおうと思っていたのに、どうして止め(られ)なかったのか・・・。もちろん他人の作品の影響を受けたからですが、キッカケは意外にも人物造形作品ではありませんでした・・・。その作品はこれ。

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「Mont-Saint-Mishel」作:川畑文昭(第18回折紙探偵団コンベンション展示より)


 第18回折紙探偵団コンベンションの展示で見たこの作品・・・1枚の紙に切り込みを入れ、折って作っているようですが、折紙というより切り折り紙の分野になる気がします。これを折紙界で知らない人はいない川畑さんがやったというのも衝撃が大きかったです。
 この作品を見た瞬間、自分の中で折紙の概念が変わったような気がします。そう、折紙は自由なのだと。そして、自身のオリギュアに課している制約を見つめなおし、紙サイズ統一という制約を無くした時に広がる無限の可能性に気が付いたのです。
 というわけで、(切り込みを入れるのと、正方形以外の紙を使うのは嫌だったので)紙サイズを各部品で自由とする事で、どこまで美少女フィギュアを表現できるか・・・第4世代オリギュアの開発が始まりました。

究極のプラットフォーム化と失敗
 第4世代の開発にあたり、最初のアイディアはマネキン状の素体に服、髪部品を取り付けるというものでした。素体を転用し、服、髪部品の新規開発のみで様々な作品を展開できる・・・究極のプラットフォーム化を狙ったわけです。
 用紙サイズの異なる複合作品を本気で考えたのは今回が初めて(中学の頃はよくやっていましたが)・・・色々と失敗を繰り返し、ようやくβ版の素体ができました。

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折紙少女素体ver.β


 そして服と髪をつけた作例1号がこちらです。

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折紙少女 ver制服試作


 結果として、このアイディアは失敗でした。よく考えると分かりますが、服部品に極薄の紙が必要になるのです・・・(なんだか1世代の時も似たような失敗を・・・)。というわけで、このマネキン案はお蔵入りとなりました。

 この失敗から、マネキン状の素体を使用するという案は捨て、出来るだけ共通で使える部品構成を考慮しつつ、使用枚数を最小限に抑える方向で第4世代の開発を進めていくことになりました。
 続く・・・。
posted by ゼニガメ男爵 at 23:59| Comment(0) | 雑記

2015年03月26日

オリギュア開発史-3

前回からの続きで、第3世代オリギュアについての記事になります。

第3世代

 第3世代は、第2世代で明確化した2点の課題(紙色、顔の再現性)の解決に挑戦しつつ、新たに「プラットフォーム化」という思想を取り入れたものになります。特徴をまとめると以下のようになります。

 ・制約条件は第1、第2世代と同じ(不切正方形折り、各部品同サイズ用紙使用)
 ・顔の表現
 ・プリンター染色紙を使用

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第3世代オリギュア「おり」

本作品では、第2世代の課題に対して下記のアプローチで解決を図っています。

 @紙色が悪かった → プリンター染色紙を使用して任意の色を表現
 A顔の再現性が悪い → オリジナルキャラ使う(!?)


灯台元暗し!

 紙色は、自分で染色しない限り、市販の紙色の制約を受けます。作品を創るにあたり、紙の厚さ、コシ、質感に加え、色まで最適なものを毎回選ぶのは大変です。自分で染色するのも非常に手間がかかるし技術も無い、どうしようか・・・と悩んでいた時、コンベンションで小松氏に見せて(触らせて)もらったインクジェットプリンターでプリントアウトした紙(プリンター染色紙)のことを思い出しました。
 プリンター染色紙は意外に、丁度いいコシと厚みがあり、何より任意の色をPCで作り出せる・・・オリギュアにぴったりな特徴を有していたのです。これは本当に灯台元暗しでした(本業で毎日触ってるのにね・・・)。

 早速、薄めの普通紙を購入し、プリンターの設定を色々と試して紙を作りました。そして、作った紙に最適化して創作しました。ほとんどの創作家のアプローチは「作品→最適な紙を選ぶ」だと思いますが、その逆、紙に合わせた最適な技法、構造で設計しているわけです。この辺から、段々と製品設計者の思想が入って来ていると自分では感じています。そして、この材料を含めた総合的な作品設計の思想は、複合作品の創作において非常に重要なキーであると考えています(この辺は、その内まとめたいです)。


これは逃げか?

 今回は、これまでの版権物のキャラクターではなく、自身のオリジナルキャラクターをモチーフにしています。これにより、「誰これ?」とはなりません(え・・・)。
 この時点で、顔の表現技法は、まだ既存キャラクターを表現するに至っていませんでした(未だ研究中)。兎に角、前作(やよい)より可愛く、萌えられるように・・・を目標にしつつ、モチーフをオリジナルとすることで作品としての完成度を高めようとしたわけです。
 ある意味逃げかもしれませんが、版権物は著作権の関係から大手を振って発表できるものでも無く、あくまで個人的趣味の範疇になることから考えても、オリギュアの最終点はキャラデザも含めたオリジナル作品を目指したいとぼんやり思っています。


始まるプラットフォーム化

 第3世代では、複合作品の創作難度を下げるため、プラットフォーム化を目指しています。ここで言うプラットフォーム化とは、折紙的に言えば基本形を作ることで、バリエーションとして作品数を容易に増やせるといった感じです。
 第2世代までのオリギュア作品は、それぞれ専用の部品構成、折りとなっており、創作期間も非常に長くなっています。これを打開すべく、第3世代では、部品構成の共通化と、転用可能な人型の基礎(素体)を目指しました。それがこちらです。

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 第3世代 素体(2枚組み)

「おり」はこの素体から作られています。作例は振袖モチーフになっていますが、下半身の服領域の折りを変更すればスカートに、髪部品を変更すれば別髪型に、服部品を変更すれば別の服装に・・・といったように別作品に比較的容易に変えることが可能になっています。


課題はやはり顔

以上のように、第3世代では、「材料(紙)」、「基本構成」の2点で大きく進歩しました。そして、肝心の「顔」はというと、コンベンションの展示では、そこそこの評価を得られていたように思えます。ただ、顔の割れ線が目立ってしまっている点について数人から指摘を得られました。

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「おり」顔アップ


また、顎にあたる部分の安定性が無い点も問題で、制作における歩留まりが悪いという表に出ない課題もありました(実は発表した作品は本折り2つ目。1つ目は顔が微妙になったのでボツになっています)。

 これらの課題を有していましたが、オリギュア着想当初のイメージに大分近づいて満足したことと、刺激を受けるような作品が暫く現れなかったのとで、ここでオリギュアの開発研究を止めよう・・・当時はそう思っていました。

続く
posted by ゼニガメ男爵 at 23:16| Comment(0) | 雑記